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単語

語部の世界には、沢山の国があるんですが。その中で特に大きいのが王国と帝国。
それぞれトップには国王と皇帝が君臨している。

王国の配置は、まずトップに国王。
その下に右左(うさ)6元帥。左が3人が文官、右三人が武官。
両翼大元帥。↑の内から選ばれる長。文官長、武官長。

直下12将。王都守護隊。

文官と武官を纏めて呼ぶ名称が中々ない……ようですね。
国の規模とかそういうものを考えながら設定しようとすると、頭が痛くなってきます。

神術の力を持つのは天帝。魔術の力を持つのは地上帝。
地上にいる全てのヒトには地上帝の力がそそがれているので、全てのヒトに魔術の素養がある。
対して天帝が作ったのは動植物など人間以外の環境なので、神術を使う素養があるものはわずか。
ヒトの中でも、亜人と呼ばれる人たちは、ベースが動植物なので魔術と共に神術が扱える。
例外として、語部は始祖が天帝と地上帝の子供なので、両方の力が必ず使える。

■■ロストテクノロジー
天人戦争でそのほとんどが失われた、神話時代のヒトの文明。
住処を空に浮かせり、自動人形を作ったり、その技術は現在では考えられないくらいに発展していた。
しかし、それ以前の歴史的痕跡が殆ど残っておらず、突如として現れた文明だと言われている。
神話では、地上帝と睦まじく暮らす人に嫉妬した天帝が焼き払ったとされているが。

■■反転世界
天帝が作ったとされる、もう一つの世界。
ヒトが関わることは滅多にないが、稀に、こちら側に反転世界の住人を召喚する場合がある。
召喚した場合、なにがしかのルールの元、相手を屈服させなければならない。
向こうの世界にも秩序、ルールがあり、苛烈なまでの実力主義。
ヒトとは違う価値観を持ち、合理主義であるため、ヒトから見ると鬼畜で冷酷に感じる。
上位に君臨するモノは魔族と呼ばれる。

■■赤い瞳
神の色は、天帝の赤と地上帝の青。
地上帝の色は、全てのヒトに継がれているためありふれた色だが、天帝の色は彼が直接作ったいくつかの人型の生き物と、彼と地上帝の息子以外には継がれていない。
この瞳の色は、いかなる染料、魔術神術を使っても、作ることと変えることが出来ない。
そのため、この色を持つ者を継承者とする国もある。王国の主は代々赤い目の持ち主。
特異な色であるため、語部たちは、旅中にある際にはこの目を隠すことが多い。
ちなみに、神力が極端に高い聖と歪、それから各地にいる数人の人だけは、この色を変えることができる。

■■初めの人
地上帝が直接力を注いで作った、各種族の始祖たち。
最も初めに作られたのは、ヒト。
これは地上帝が自身の力をそのまま人の形にしたもので、魔術素養は高いが安定性に欠き寿命が短かった。
それ以後に作られた人々は、全て動植物に力を注ぐ形で作られており、安定している。
元は種族ごとに10数人ほどいたが、種族が安定した所で、一族を導く代表を一人だけ残し他は寿命を享受した。
現在の各種族の族長たちは、この導く人。
そのまま4000年近くを生きる者、転生して数度目の人生を歩んでいる者など様々。
なお、転生した場合でも全ての記憶と容姿を引き継いでいるため、殆ど同じ性格になることが多い。
ヒトは始祖を残すことが出来なかったため、現在の長兄は山犬族の総長。

■■知識の書 知恵の書
天帝と地上帝が、それぞれに分けて管理していた膨大な情報を記した書。
あるとき、彼らの一人息子がその二つを持ちだし、ヒトに与えた。
そこに記された情報は、科学を始めとする膨大な量の知識。天帝が管理する以前の出所は不明。
これをもとにヒトは科学文明を築き、そして天人戦争が起こった。
このときに、全てのページがばらばらになり散らばった書は、未だ各地に点在している。

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創世記

誰も知らない、創世記。

ソレは、たった一人きりでした。
何もない世界。踏みしめる大地も、見上げる天もない……世界。
そこに佇む、かつて『管理者』と呼ばれたソレは、たった一つの無ではない存在にして、この何もない世界の王でした。
完全な存在である彼(あるいは彼女)は、それゆえに望むものもなく。
全ての事象は彼(あるいは彼女)の元で完結し、彼の思考は、全て彼の中で完結する。
完全ゆえに求めるものもなく、掛けた所がないゆえに全ての事象はそこで完結する。
けれど、掛けた所のないそれは。まるで……無であることと変わらないようで。
全てを持っているがゆえに、そこには何も存在しなかったのです。

だから。
あるとき彼(あるいは彼女)は、自らの存在を二つに分けました。
生まれた無垢なる存在は、彼とは対極にあるもの。
けして完全ではなくなった彼は、ゆえに彼女を愛しく想う心を手に入れました。

彼は、彼女が休めるようにと世界を大地と天に分け、
彼女が暗闇に怯えないように、天を星で彩りました。
彼女が寒くないように、世界に色をつけ、
彼女が寂しくないように、沢山の生き物を創りました。
そして、彼女が自分の存在をなくさないように、自らを『天の王』と呼び、彼女に『地の王』と名付けました。

そうして世界に箱庭を作った彼は、けれど自らが地に降り立つことはけしてありません。
彼には、『無に返る前の世界』で背負った咎があったのです。
完全であったときには、罪であると思うこともなかった、咎。

そして彼は、自らの過ちに気付きます。

完全でなくなった彼は、『彼ら』と同じ存在になっていたのです。
『彼ら』は、欲するものの多さゆえに身を滅ぼしました。

彼(あるいは彼女)は、世界の正しい姿は無であると、思っていた筈でした。

彼女を愛した彼は、自らの心を恐れました。
彼女を想う心が、いつか『彼ら』と同じ過ちを犯すのではないかと。

悩み続けた彼は、ついに一つを決めました。
彼女に、自らの力のうち、半分と少しを差し出したのです。
できることが狭まるようにと。

そして。

彼がどうしようもなく外れてしまった時には、彼より強いその力で。

自らを殺してくれるようにと。



それから、数千年も数万年も後のこと。
地の王は、その力で、自らに近い存在……ヒトを創り出しました。
それは、『彼ら』と同一の、存在。
世界は繁栄し。
そして、過ちの運命は……加速を、始める。

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