語部な日常

ふと思いついた漫画用のネタ。
語部で本編を作るとしたら（語部には本来メインストーリーは無いので）、ラストのシーンになるかと。
歪（ヒズミ）ラスボスエンディングです。
要（カナメ）の思い。

風呂で進行を組み立てていたのですが……。
感情移入しすぎて危うく泣きかけました。
自分の作った話で泣くとか……ある意味凄いなぁ。

気配がした
それは　良い報せ
だけれど
彼女にとっては
悲しい　報せ
要は目を伏せた

解っていた

「逝ったのだな……」
言葉を空に投げかける
「お前は……大馬鹿者だ…」
眉を寄せて　まるで涙をこらえる様に
「だから…お前と共に生きた私も……大馬鹿者だ」
目を瞑る
見えるのは　彼の人
浮かぶのは　いつも笑顔だけ
「結局一度も…言えなかったな……」
ぽつりと洩らすと　空を見上げた
「…愛して……いた」

解っていたんだ

「だが……私には…」
零れるのは　涙

「私には……お前の影は……背負えな…かったんだっ」
堪える様に　歯を食い縛る

「いつも…貰うばかりで……何も……私、には」

「お前は……何で…そんなにも…」
片手で　目を覆う
それでも

「最後まで……」
涙が　溢れた

「あああぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ！！」

慟哭は　軋む音

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