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語部な日常制作中イラストや日記用イラスト、雑記雑感などを中心に展開中。まれに版権話や小説が出ることも。PAGE | 826 825 824 823 822 777 753 706 820 819 818 | ADMIN | WRITE 2010.08.20 Fri 22:44:42 ■■黒、そして白↓発見品第4弾。こんな話書いてたっけ…………。作りかけっぽく途中で途切れてます;
【近況】テスト終わりー。課題も差し迫ったものは終わりー。もはや、希望と絶望の境をさまようカウントダウン時期に入りました。
語部の衣装について説明するに当たって、創作語りをするだけでは面白くないなぁという所で、狂にしゃべって貰いました。 説明する相手は……語部関係者ではやり辛かったので、某橙色の王様に依頼。 * * * それはきっと、無言の重圧。ただ「 」であれという。 では、それならば……「 」とは、何だというのだろうか。 ああ、それすら分かりはしないのに! 一体。何をもって、何のために「 」はいる。 ■■黒、そして白 「元は、黒は当主の色だったのさ」 いつの間にやら、それが名を持たない一族の代名詞になってしまったから、今では全ての語部が黒を好んでまとうが、な……と、語部きっての純血は、いつもの笑みを浮かべて説明する。 何故だろう。 橙の王は、首をかしげた。見つめる横顔が、今日はどこか違って見えた。 「どうしたんだい? てめぇで頼んだ説明の、その最中にぼけっとしてったぁ、律義なあんたにしちゃあ珍しいじゃねぇか」 ――ああ、そうだ。。 男と目があって初めて気付いた事実に、けれど、橙の王はそっと目を瞑った。 服装の、色。 以前から少し気になっていたそれを、何の気なしに問うてみただけだったのだ。 けれどそれは……目の前の男にとっては、ただ色について語るだけでは済まないものだったのかも、しれない。 「いや。悪い、ちょっと別のことを考えてた……というか。それ、褒めてるのか?」 だから王は、その先を求めることは、しなかった。 話を続けるか、それとも話題を転換するか、判断を男にゆだねたのだ。 「ク、褒めてるさ。だが……気を付けな。律義すぎると、貧乏くじ引いちまうぜ?」 男の言葉に、王は目を細める。その言葉に込められた意味は。 男が笑う。悪戯が成功したとでもいうように、楽しげに、けれど寂しげに、そしてどこか、嬉しげに。 そうしてしばらく、どこか遠くに向けるように笑っていた男は、気がすんだのか笑いを納める。 「ああ、それで。黒い服装の所以、だったな」 王が抱く、この男の印象は出会った当初から一貫していた。ただ一言。よく分からない男だ、と。 ただ、その言葉に内包された意味は、当初から少し、変わっていた。 「語部の当主と副当主は、正装、略装、その他諸々ある全ての服装において、黒を基調とすることが決まっている。さあ、ユフィ……黒は、何の色だと思うかい?」 突然の質問に、その内容に一つ目を瞬いた王に、男は笑みを浮かべた。 「あんたは今日、訪ねてきたオレの風貌を見て……どう思った?」 ――まるで、喪服のようだ。 彼が訪ねてきた当初から、王は確かに、そう考えていた。 「多分、あんたが今考えてるそれが……答えだろうな。当主のまとう衣は……それは、常に喪服……なのさ」 「……それは、なんでまた?」 返す言葉に困った王は、ただ聞き返すことだけをした。 「生き残る側でなけりゃ、いけねぇから……って、ことだったんじゃねぇか、ね」 いつもの通りにやりと笑う男に、けれど王は、どこか冷たい色を感じた。 それは……怒りだ。自分に向けられたものではないそれは、きっと誰かへの……いや、『何か』への、怒り。 「知ってるかい? 語部に二つある守護家当主の正装と戦闘装束は、語部で唯一……白い」 話の方向が少しばかり変わったことに、その内容に、王は男の抱く感情を、その理由を理解できた気がした。 「もう分かったと思うが……これは、死に装束なのさ」 王は、理解した。目の前の男の、その怒りの意味を。 それはきっと、自身が普段から抱いているそれと、同じ種類のものなのだ。 「当主は常に、黒い喪服。それは、常に送る側であれと、何者をも踏み越えて自身を守れという、教え」 「対して、守護家は常に、白い死に装束。それは、自身を持たず、いつでも死ねるただ一振りの剣であれという、教え」 男はそこで一度、口をつぐんだ。 噛み含むようだった口調は、いつの間にか、少しばかり早くなっていた。 男は自身でそのことに気付いたのだろう。 「組織に役割分担は、必要なものさ。…………だが、それは……」 そうして、もう一度口を閉ざす。 その先に続く言葉が、元より存在していないだろうことを、橙色の王は知っていた。 END. 2010 02 16(2010 08 20手直し) TrackbacksTRACKBACK URL : CommentsComment Form |