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語部な日常制作中イラストや日記用イラスト、雑記雑感などを中心に展開中。まれに版権話や小説が出ることも。PAGE | 829 828 827 826 825 824 823 822 777 753 706 | ADMIN | WRITE 2010.08.24 Tue 22:21:17 ■■お茶にしましょう -side.kこちらにて、コラボ用のページを作って頂いていると知りまして。
そこに掲載中の作品の、狂サイドを超短文で書いてみました。 続き……書きたかったんですけども、ちょっと文章からユフィさんの心境が読みとれず……。 今度、彼が笑っていた理由とか心境を細かくお聞きしたいです。 「……くーさん。息子の気持ちってわかんないものだな?」 穏やかな日の照る昼下がり。 城を訪ねた二人の客人に、橙色の王は、笑みを浮かべてそう言った。 「あぁ? いきなりどうした」 狂(クルイ)は、王の唐突な言葉に、眉間のしわを若干だけ深くして聞き返す。 「なんでもない」 相も変わらず笑みを浮かべて言う王に、狂とサチコは思わず顔を見合わせる。 一瞬の間をおき、サチコが灼熱の髪を揺らして呆れの色を形作った。 「……いよいよ気でも違ったか、可哀相なユ……ミッフィー」 「おま、そこは言い換える所じゃないだろ!!」 「お約束すぎてむしろ笑えるってぇの。漫才かい」 自分で勝手に用意し淹れたお茶を飲みながら、狂が至極のんびりとツッコミをいれた。 器具と茶葉は、給仕係が支度してくれた配膳のワゴンから拝借している。 彼らが来た際には、給仕の係はワゴンだけを置いて退室するのが定石になっていた。 あくまでのんびりと、淹れた茶を一杯飲み干した所で、目の前にいる友人二人のためのカップを取り出す。 勿論紅茶を、彼の一度使ったカップと、友人たちの今だ使用されていないカップに注ぐためだ。 しかし、その作業は灼熱の髪を持つ友人の声でとめられる。 「ああ、俺はいらねぇぜえ?」 用意をしていた狂も、書類を纏めていた王も、しかしサチコの言葉に驚く様子はない。 「ああ……そうかい。気をつけて行ってくるんだぜ?」 「あれのことに関しては……お前の方が分かってそうだしな」 淹れた紅茶を王に手渡しながら、そして王はそれを受け取りながら、のんびりと答える。 「ああ、じゃあな。また今度、といっておくぜえ」 目は合わせない。お互いに振り向くこともない。 縁があったらまた出会うだろう。そしてそれは、きっと遠い先のことではない。 灼熱色の異邦人は、扉の音を最後に視界から消えた。 二人きりでいるにはあまりに広い部屋に、一瞬の沈黙が戻ってくる。 「で、あんたはどうしたんだい?」 ティーカップを手にしたまま、狂は王の正面の椅子に、至極ゆっくりと腰かけた。 END. 2010 08 24 PR TrackbacksTRACKBACK URL : CommentsComment Form |